itimoのブログ

有資格業。自分の人生の迷走を記録します。

【第26回】森博嗣氏著「人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか」を読んで

第22回に引き続き、森博嗣氏の著作です。

 

大要、人は、主観的・具体的というよりも、もっと客観的・抽象的に物事を考えると良い、ということが書かれていました。

 

主観的よりも客観的に考えた方が良いということは、客観的なデータに基づかず自身の思い込みや感情に任せて選択をすると、誤った選択になる危険が高まりますから、すんなり理解できるところかと思います。

 

具体的よりも抽象的に考えることについては、著者いわく、自分の周りの人たちを見ていて、この人は囚われている、と感じることが多かった、と。その囚われているものというのは、体裁、人の目、常識、正義感など、その人によっていろいろあります。もっとも、そもそも生きることというのは、なんとなく生きていた方が良いような気がする、という極めて抽象的な方向性ではないか。そうであれば、その抽象的な基礎の上に築かれる人生というものは、具体的に決めつけられるものでは、そもそもないのではないか、ということでした。

 

確かに、なるほどと思います。着眼点として、面白いと思いました。

 

それでは、抽象的に考える手法のようなものはあるのでしょうか。本書では、以下の手法が紹介されていました。

 

・なにげない普通のことを疑う

・なにげない普通のことを少し変えてみる

・なるほどと感じたら、似たような状況が他にないか想像する

・似ているもの、例えられるものを連想する

・ジャンルを問わず、創造的なものに触れる

・創作してみる

 

例えば、3つ目について、最近たまたま自分のホームページを作成する機会がありました。最近のホームページ作成ツールは充実していて、素人でもそこそこクオリティの高いホームページを簡単に作成することができる時代ですが、細部をこだわろうとすると、html言語を直接編集するページに進み、「直接編集をするとサイトが破損するおそれがあります」という警告が出てきて、そっと引き返しました。

 

こだわりたいという欲から、自分の専門外の領域において、よく理解していないことを見よう見まねでやると、大失敗をして後悔する羽目になる例です。今回は回避することができましたが、人生において似たような状況はよくあるな、と思いました。

 

最後に、著者いわく、人間というものは、基本的に自分自身を良い方向へ導く力を持っている、とのことでした。私も、人間がそういうものであるといいな、と願っています。

 

以上、読んでいただき、ありがとうございました。