itimoのブログ

有資格業。自分の人生の迷走を記録します。

【第3回】漫画「星を継ぐもの」を読んで

※ネタバレを含みますので、ご注意ください。

 

今回は、箸休めに、漫画の感想回になります。漫画にしても、映画にしても、読書にしても、自己啓発的な側面はあると思っていて、その意味では自分の人生の内省に繋がるといえば繋がります。

 

それと、作品に対する感想ですが、よほど作品の内容と乖離していなければ、どのような感想を持っても良いと思っています。結局、現時点においての感想でしかない訳です。後から振り返った時に、「この時はこんな感想を抱いていたのか。今となっては、当時から大分成長したな。」と思うのであれば、それはそれで自身の成長を実感できる素敵な人生だと思います。

 

保険を掛けることはこれくらいにしておいて、本作の感想を単刀直入に言うと、面白く、引き込まれ、あっという間に読み終わってしまいました。

 

本作に限らず、良いSFというのは、第一に、作品に登場する未来科学技術に、現代科学技術の延長線上にあるかのような真実味があることが挙げられると思います。これについては、月で5万年前のミイラ化した人間が見慣れない宇宙服を着用している姿で発見されるという、秀逸な導入から、未知の事実が次々と明らかになっていき、それらが既知の歴史とぴったりと整合して、上記のような真実味が見事に演出されています。

 

そして、第二に、SFの世界といえども、現実社会と共通する普遍的な価値が、作品をとおして通底していることです。本作で言えば、異星人間の友好や、平和の実現を希求する意思、完全無欠の存在などおらず、どのような存在でも後ろ暗い過去を持ち、それでもより良い未来の実現に向けて勇気を持って一歩を踏み出すこと、などでしょうか。上記の真実味と対比して、人間味と言い表すことができると思います。このような作品からは、読み手として、自分ももう少しだけ頑張ってみようという勇気をもらえます。

 

漫画は2012年ですが、原作は1977年から1982年までに書かれた作品とのことです。自分にとって大分年上の作品ですが、全く古い感じがしないですね。今後も時代を超えて愛されそうな、良質なSF作品でした。

 

以上、読んでいただき、ありがとうございました。